2013年4月16日火曜日

mac mini server という愚

mac mini server という“愚にもつかない” mac本体を知っているだろうか。
mac mini のほぼ同構成に HDD 1TB 一台とOS X Server を足しただけのものである。

この構成で、mac mini の価格に2万円を付加する。
Apple ではごく普通な価格付けだが、問題は価格ではない。

「この代物に2万円付加の価値があるのか?いや、そもそも mac mini server の存在意義って何!?」
という疑問がある。


server と名が付いているという事は、プロ仕様なのだろうか。
毎日ほぼ電源付けっぱなしで、他のPCからのアクセスやサービスの提供等の負荷に耐えられるのだろうか。
その答えは“No”。

まず、mac mini の特徴。
・本体サイズが小さい
・付属品が少ない(キーボード/マウスは別途用意)
・価格が安い
・ノートPC用のHDDとメモリを使用
・拡張性が低い(ノートPCとほぼ同等)
・メンテナンス性が低い(ノートPCとほぼ同等かそれより低い)
・エアフローが悪い(故障しやすい)

mac mini server の特徴は上記に加えて以下のもの。
・HDDが1TB 2台構成
・OS X Server インストール済み
・エアフローが更に悪化

mac mini は、毎日の業務に使用した場合、ブログ主が知っている平均的な稼動年数は3年である。(100台前後の統計なので、微妙だが)
価格を考えれば、まぁ納得の耐久年数だろうか。
(それでも他社に比べ低いと思うが)

mac mini server という名前に釣られ、高耐久と高可用性を考えて買った人には悪いが、mac mini server の中身は mac mini と同じなので、そんな事はありえない。
むしろ、HDDが増えたために内部温度が上がり、エアフローが悪化して耐久年数は低くなっている。

そもそもなぜHDDが2台あるのか。
ソフトウェアRAID 1 をすれば高可用性に寄与するとApple は言わんばかりであるが、そんな事はない。
考えてみればすぐに分かるが、HDDの交換できない(またはスペアの無い)RAID 1になんの意味があるのだろうか。

また、ソフトウェアRAID の運用自体にも問題があり、万が一 HDD の交換に成功したとしても、復旧作業が難しい(+復旧に時間が掛かる)。
ホットスワップでのHDD交換ができない以上、その復旧時間は業務が稼動できないので、server 失格と言わざるを得ない。

さらに言うと、HDDの容量が1TB x2 というのはどうかと思う。
最大2TB x2 までの構成まで用意したほうが顧客ニーズに合うと思うのだが、Apple も「売れ筋」商品でない事が分かっているのか、そういう選択肢は用意していない。

さて、mac mini server をさんざん否定したが、どうしても mac mini で サービス提供しなくてはならない場合の提言を以下に書いて、まとめとしたい。

・買うなら mac mini server 本体でなく、 mac mini の方
 
 もちろん、OS X server が必要なら、後からでもたった1700円で付加できるし。
・メモリは 別口で 4GB x2(計8GB)以上を用意
 メモリ4GB では Mountain Lion OS X Server での業務使用はギリギリライン。
・ホットスワップ可能なUSB経由(他でも可)RAID1or5のストレージを用意
 そのRAIDストレージにOSをインストールして使用すれば、ホットスワップ可能。
・本体設置場所は、風通しの良い日の当たらない場所
 エアフローの悪さを少しでも低減するため。
・ 本体の上には何も置かない、また本体横も隙間を十分確保する
 これもエアフローの悪さを低減するため。mac mini は本体がヒートシンクの役目。

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